三度目の正直だった。聖和学園が東陵との接戦を制し、準優勝した22年以来、2年ぶりの夏4強入りを果たした。決勝打は中善寺健斗外野手(3年)。1-1の7回2死二塁、チーム一の強打者、1番の三浦広大内野手(3年)が申告敬遠された。2番の中善寺にとって、今大会3度目の申告敬遠後の打席だった。「この時を待っていました」。
緊迫する空気の中、打席へと入った。試合前、八島知晴監督(46)から「大事な場面で回ってくるぞ」と声をかけられており、心の準備はできていた。3回戦の南三陸戦でも、申告敬遠からチャンスで巡ってきたが二直。悔恨の念に駆られた。雪辱の舞台が整った。「真っすぐを狙っていました」と直球を左前へ運び、二塁走者が一気に生還。好投手の熊谷から勝ち越し点を奪った。「一番気持ちが高まっていました」と自らのバットで勝利へ導いた。
昨年末、左膝骨折に見舞われ練習を離脱した。焦りを感じつつも、初めてチームメートの練習をじっくりと見る機会を得た。「良い選手の良いところを盗もう」。復帰後は、ミート力の高い三浦のフォームをまね、打撃の選択肢を増やしてきた。今春宮城大会で敗れた仙台育英も3年連続の4強入り。互いに勝ち進めば、決勝で対戦する。聖和学園は昨秋は県王者になるも、今春は仙台育英にその座を奪われた。集大成となる最後の夏。王座を奪還し、初の甲子園切符を手にする。【木村有優】

