<高校野球福岡大会:福岡大大濠7-0福岡大若葉(7回コールド)>◇22日◇準決勝◇北九州市民
土井監督は、目を真っ赤にはらしていた。
「うちは漫画みたいな楽しいチームですけど、大濠さんは漫画並に強いチームですね。悔しさはありますが、革命的な野球の片りんを見せられた」
就任4年目。指導理念は「当事者性」だった。試合中、サインは出さない。選手に助言を送る程度。試合当日のスタメンも選手に委ねる。「指導者が与え続けると思考が止まり、生徒はただ受け身になる。高校野球は選手がするものなので」。それが信念だった。
異彩を放つスタイルで、快進撃を演じた。今大会3校のシード撃破で、ノーシードから創部6年目で初の4強入り。指揮官は「出来過ぎ。この新しい野球が十分に通用した。若葉の野球はもっと強くなるし、面白くなる。将来、この野球で甲子園に行きたい思いが強くなった」と力を込めた。
試合後、選手控えルームに声が響く。「土井先生と野球ができて良かった」。引退する3年生らが、口をそろえた。「指導者冥利(みょうり)に尽きますよ。彼らとお別れをしたくない。その思いです」。3年生は土井監督のもとで野球をやりたいと望んで入学してきた生徒たち。思い入れのあった1つの集大成の夏が、幕を閉じた。【佐藤究】

