花巻東の田崎晴大投手(3年)は渾身(こんしん)の直球で空振り三振に切った。「魂を込めて投げました」。1点差に詰め寄られた9回2死走者なし、フルカウントだった。拳を固く握り、1つほえると、後ろを向いて右手を突き上げた。「自分は野手と一緒に守るピッチャー」。信じた野手陣が駆け寄るのを受け止めた。盛岡大付に競り勝ち、2年連続12度目の夏の甲子園を決めた。
学校の偉大な先輩、ドジャース大谷に憧れる。「お手本というか。野球人としても、人としてもゴミを拾うなどの取り組みがすごいなと」。投打二刀流には「自分は投げる方で精いっぱい。バントも苦手。(高校通算本塁打は)0です」と苦笑い。それでも8回に決勝の右越え適時三塁打。投げても7回途中からリリーフし、投打で奮闘した。
盛岡大付には、昨秋県初戦で惜敗してセンバツへの道が断たれた。今春の県大会決勝は田崎が5安打完封も、春は甲子園にはつながらない。「甲子園が懸かった試合で負けた借りは、甲子園が懸かった試合でしか返せない」。この日に懸ける思いは強かった。借りは返した。次は「岩手から日本一」へ-。甲子園でも1球入魂で腕を振る。【濱本神威】

