金足農(秋田)の吉田大輝投手(2年)が“聖地デビュー”で「兄超え」を誓った。

第106回全国高校野球選手権(7日開幕)の甲子園練習が2日、兵庫・西宮市の甲子園球場で始まった。新型コロナの影響で5年ぶりの開催となり、各校20分ずつで4日まで行われる。18年夏に甲子園準Vしたオリックス吉田輝星投手(23)の弟大輝投手はマウンドで投球練習。6年ぶり出場で“カナノウ旋風”の再現を狙う。大阪桐蔭、東海大相模(神奈川)、聖和学園(宮城)など初日は26校が参加した。

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今夏兄輝星を超えるべく「全国制覇」を目指す。

大輝は「他の球場とはまた違う。懐かしいなって思いながら聞いていました」。あの夏を思い出させる試合開始のサイレンとともに、午前10時から甲子園練習がスタート。キャッチボール、投内連携を終え、最後はマウンドへ。捕手を座らせた状態で力強く10球を投げ込み「球がいってるなっていう感触があった」と手応えを明かした。

6年前は甲子園のアルプスから観戦した。小学生だった。「スタンドとグラウンドから見る景色って全然違って、本当にすごいんだな」。広々としたスタンドを見つめ、感慨深そうに話した。帽子のツバに記した「天下」の意味。「兄が全国の天下を取れなかったので。次は自分がつかみ取りにいこうって」。夢の続きを、今度は大輝がかなえる。

兄輝星は、力強い直球が魅力だった。対する大輝は「変化球に自信があるので」と最速は145キロで、スライダー、カーブ、チェンジアップを操る。

第100回大会に出場した兄と、甲子園開場100周年で聖地に帰ってきた大輝。兄弟そろって節目の大会に出場する。「それもなにかの巡り合わせなのかなと感じています」と、吉田家らしいスター性を見せる。大阪で暮らす兄には、甲子園前に「見に来るの?」とラインで連絡。「行けたら行く」と返事が来た。

兄を超えるために、金足農を選んだ。「次は自分が輝星に良いところ見せてやるぞって」。高校野球の天下に向け、強い覚悟で聖地に乗り込んだ。【佐瀬百合子】