敗戦を糧に、ノーシードから頂点をつかむ。第77回秋季高校野球宮城大会(19日開幕)の組み合わせ抽選が12日、仙台市内で行われ、25チームの主将と部長が集まった。今夏準Vの仙台育英は、20日に古川工と初戦を戦う。地区大会準決勝ではライバル東北に3-7で逆転負けし、シード権を逃した。ミーティングで再確認した「守り勝つ野球」で、下克上を狙う。上位3校は東北大会(10月12日開幕、福島)に出場する。

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仙台育英が「下克上」で東北王者を狙う。新チーム始動後、練習試合を含めて無敗を貫いてきたが、地区大会の準決勝で東北に3-7で逆転負け。初黒星を喫し、シード権を逃した。それでも、佐々木義恭(よしたか)主将(2年)は「目標は県大会を勝ち抜き、東北大会で優勝すること。明治神宮大会にも出場したいので、この大会を通して優勝にこだわってやっていきたい」と力強く語った。

新チーム1敗目が、自分たちを見つめ直すきっかけになった。東北戦では初回に2点を先制したが、4投手が8安打7失点。3失策と守備も乱れた。敗戦後、すぐさまミーティングを行った。

地区大会の2戦はいずれも2失点以内での勝利だった。「根本的に『勝ちたい』という思いや『自分たちからチームを作り上げていく』という意識を全員で統一しました」と佐々木主将。投手を中心とした「守り勝つ野球」、ミスをしても「切り替える力」。「試合の勝敗は投手が占めているという自覚を投手に持ってもらった。投手陣がどれだけ成長できるかが勝利のカギを握ると思います」。全員で敗戦から課題を見いだし、作り上げたいチーム像を共有し合った。

「日本一からの招待」。須江航監督(41)が毎年話してきたこの言葉には「日本一から招待されるチームづくりを目指そう」という意味が込められている。初黒星を機に、この原点にも立ち返った。「今までの取り組みが本当に正しかったのか考え続けてきた」。答えはまだ見つからないが「今は受け身にならず、自分たちから何かを発信するチームづくりを目指している」と前に進んでいる。

「今回負けて良かったというのが正直な気持ち。負けたことで得られた経験や、負け試合の原因を追究することができる」。これからも成長の歩みを止めることなく、日本一から招待されるチームをつくりあげていく。【木村有優】

○…東北は中部地区優勝にも隙を見せずに頂点を狙う。大場隼汰主将(2年)は「もう1度チームを鍛え直し、一から一戦必勝」と誓った。新チームは自主自立がすでにできている。自由でありながらも、それをはき違えることはないという。「2年生だれもがキャプテンのような気持ちで取り組んでいる」と志も高い。初戦は21日、仙台一-仙台三の勝者と対戦する。地区予選では負けてる場面でも楽しめた。「優勝チームとなり、相手がチャレンジャーとして挑んでくる状況にも、謙虚に丁寧に戦いたいと」と決意を新たにした。