知徳が直近3季連続優勝中だった聖隷クリストファーを3-1で下し、準優勝した10年以来16年ぶりの決勝進出を決めた。

1番高橋舵真(かじま)内野手(3年)が、1本塁打を含む2安打2打点と活躍。聖隷の県内公式戦連勝を「22」で止めた。浜松商は日大三島に5-4で競り勝ち、7年ぶりに準決勝を突破した。この日、勝った2校の東海大会(23日開幕、愛知)出場が決定。決勝と3位決定戦は、3日にしずてつスタジアム草薙で行われる。

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知徳の切り込み隊長・高橋が、王者撃破の突破口を開いた。1回裏、第1打席の初球。スライダーを迷わず振り抜き、右越え二塁打を放った。「良い投手が相手。じっくり見ていたら勢いが出てしまうので『初球からいく』と練習してきた。結果が出て良かった」。続く2番屋嘉敦輝外野手(2年)が4球目を捉えた右中間適時三塁打で生還。聖隷の最速150キロ左腕・高部陸投手(3年)から、5球で1点を奪った。

積極的な打撃で鮮やかな先制劇を呼び込み、自身も乗った。3回に迎えた第2打席では、カウント2-0からカットボールを強振。右翼頭上を襲った打球は1度フェンス直撃と判定されるも、審判団の協議で本塁打に。高校通算8本目、公式戦初アーチで貴重な追加点をもたらし「感触も良くていったと思った」。笑顔でダイヤモンドを回った。

雪辱の快音だった。高部とは、代打出場した1年夏の初対戦から昨秋まで3試合で9打数2安打。試合も全敗だった。“4度目の正直”に向け、140キロに設定したマシン打撃を通常よりも近い距離で行うなどバットを振ってきた。対策に加えて体重を約7キロ増やした冬の鍛錬も実り、この日は2長打で2打点。初鹿文彦監督(50)も「あの1スイング目でチームの雰囲気がすごく変わった」と、その仕事ぶりをたたえた。

引っ張られるように、192センチのエース左腕・渡辺大地投手(3年)も1失点で4試合連続完投。目標の東海切符をつかんだ。決勝は、春夏秋を通じて初の県制覇を懸けて浜松商と対戦。高橋は「次も自分がチームを勢いづける」と言った。漁師だった亡き祖父が「舵(かじ)を真っすぐ切って力強く進むように」と願いを込めた名の通り、頂点へと突き進む。【前田和哉】