<高校野球岩手大会:盛岡工5-2高田>◇16日◇2回戦

 東日本大震災で甚大な被害を受けた高田は初戦で敗退した。スタンドはスカイブルーで染まった。全国から送られたユニホームの色のメガホンやTシャツを身にまとった選手の保護者らは、泣きじゃくって整列する高田ナインに大きな拍手を送り「よく頑張った」と声をかけた。

 メガホンは津波でなくしたが、中京大中京(愛知)がメッセージを入れて寄贈した。練習試合をした桐生商(群馬)からは背中に「白球が結ぶ心の絆」と入ったTシャツ。高田高野球部父母の会の村上研一会長(51)は「野球ができる喜びを感じてプレーしてほしい」と思いを選手に託した。

 大和田将人主将(18)の父陽一さん(57)は、仮設住宅の建設で忙しい日々を過ごしながら駆け付けた。グラウンドで練習ができない間は、手を真っ赤にしながら息子のキャッチボール相手になった。わが子の晴れ舞台を見守り「一生懸命やったんだけどね。あとは後輩に頑張ってもらいたい」とスタンドで声をからした野球部員の弟を見つめた。