<高校野球・秋季東海大会:中京大中京5-2掛川西>◇2日◇決勝◇岐阜・長良川球場

 掛川西(静岡1位)が、中京大中京(愛知3位)に2-5で敗れて、準優勝に終わった。1日の準決勝で享栄打線を完封したエース堀野真投手(2年)を温存したことで、攻守のリズムをつかめなかった。東海王者となって秋の日本一を争う明治神宮大会(15日開幕)に出場する夢は断たれた。だが、この悔しさは、出場が確定的な来春のセンバツで晴らす。

 掛川西が、15年ぶりの東海王座を逃した。9回表2死無走者で、代打の県(あがた、2年)がライトフライに倒れると、ナインの目には悔し涙がにじんだ。「どうしても今日も勝って、神宮大会に行きたかった。真剣勝負の中でしか、学べないことがあるから」。初回に先制の左前打を放った江塚一塁手がうなだれた。

 それでも、収穫はあった。前日被安打4の完封で94年以来のセンバツ切符をほぼ確定させたエースの堀野は、最後までマウンドに上がらなかった。先発した三塁手の小崎主将は2回2/3で3点を奪われたものの、控えの1番手稲垣と1年生左腕の杉山が、強豪相手の真剣勝負で、持ち味を発揮した。「堀野は、だいぶ疲れていた。勝ちたかったけれど、うちはガンガン打つチームじゃないから。(控えを)使うチャンスも、今日しかなかった」と上村監督も納得の表情で振り返った。

 甲子園に向けての課題は、見えている。「今日は自分が情けないです。これからの練習で、全員がどれだけ変われるか。すべてにおいてレベルアップしていかないと…」。小崎主将が目を見開いて、センバツでのリベンジを誓った。【大石健司】