<神宮大会:慶応4-2光星学院>◇2日目◇16日◇高校の部準々決勝◇神宮

 高校の部は1試合だけが行われ慶応(関東・神奈川)が4強に一番乗りした。

 慶応の1年生右腕・明大貴(みょう・だいき)がチームに初出場初勝利をもたらした。関東大会の準決勝で公式戦初登板も3回4失点。初先発の決勝では1死も取れず1回KOされた。そんな明が、初の全国大会で汚名返上の好投だ。会得したばかりのスプリットフィンガー・ファストボール(SFF球)を駆使し、光星学院を散発3安打2失点に抑えて、高校生活初の完投勝ちをマークした。「明治神宮大会だから『明』をさせた。4回ぐらいまでと思っていたのに…」。上田誠監督(51)もびっくりだった。

 関東大会はエース白村明弘(2年)が腰を痛め、出番が巡ってきた。だが結果を残せず、落ち込んだ。「先輩、同僚が励ましてくれた。監督からもアドバイスを受けた」と明。3日前の投球練習でSFF球を試したところ、指にしっくりきた。この日は全120球の3割ほどがSFF球。「みんなのおかげで勝てました」。富山・射水市出身で「名字の由来は分からない」という明は、明るい笑顔を見せた。