第83回選抜高校野球大会(3月23日開幕)の選考委員会が28日、大阪市内で行われ、九州国際大付(福岡)が29年ぶり2度目の出場を決めた。エース三好匠(2年)は、若生正広監督(60)が東北時代の03年にダルビッシュ有投手(24)とともにセンバツで準優勝したことを意識。ダル超えの優勝を目標に掲げた。

 九州国際大付の「ダルビッシュ2世」三好は、授業が終わった午後3時30分過ぎに、学校内でナインとともに吉報を受け取った。アントニオ猪木ばりに「1、2、3、ダーッ」と絶叫。全員で喜びを爆発させた。

 「センバツでは九州勢が上位に行っている。自分も投げて優勝まで行きたい。ノーヒットノーランも完封も完投もしたい。悔いが残らないピッチングをしたい。ダルビッシュ投手のようになりたい」。

 ダルビッシュにあこがれてきた。若生監督が東北(宮城)監督時代に手塩にかけて育てた日本ハムのエース。監督から「まねしろ」と言われ、1年夏にダルビッシュの連続写真を渡された。それを参考に、チェンジアップ、カーブ、スライダーを磨いた。下半身も強化した。軸足で立つ時に曲がる癖も矯正。最速143キロの球威を身につけ、変化球のキレも増した。秋季九州大会は準優勝だったが、決勝まで4連投した。

 女房役の高城俊人捕手(2年)も目を見張る。「秋の北部大会からチェンジアップでカウントが取れるようになった。ワンバウンドでも打者が振るので助かります。より緩急で攻められるようになった」。

 1年夏に出場した甲子園は3回戦で敗退した。今度は、ダルビッシュが届かなかった頂点まで、一気に駆け上がる。【菊川光一】