<高校野球大分大会:鶴崎工10-2森>◇16日◇2回戦

 森高校野球部の夏が終わった。9日の開会式後に監督で教員の重光孝政さん(享年44)を亡くすバス事故に見舞われた森が7回コールド負けした。

 最後の打者となった佐藤春喜中堅手(3年)が「ごめん、みんなごめん」と泣き叫び倒れ込む。重光さんの娘でマネジャーの咲希さん(3年)が泣きながら佐藤を支える。事故から1週間、重光さんと目指した甲子園への道が閉じられた。

 シード校の鶴崎工を相手に初回に1点を先制したが、その裏に追いつかれ、突き放された。しかし、平川拓也主将(3年)は「悔いはないし、胸を張って学校に帰りたい」と言った。森高校野球部が戦い抜いた1週間。「最後の最後に(重光さんに)絆の意味を教えてもらった。これからも忘れません」。佐藤は涙をぬぐって言った。【実藤健一】