<高校野球山形大会:酒田光陵14-1庄内農>◇14日◇1回戦◇新庄市民球場

 夏初陣の酒田光陵が勝利の校歌を響かせた。酒田工、酒田商、酒田北の3校と野球部のなかった酒田中央が今春統合。昨年まで酒田工を率いていた小山大央監督(37)は「夏は勝てば100点」と記念すべき夏1勝を評価した。

 今春の地区1回戦で7回コールド勝ちした庄内農に、思わぬ苦戦を強いられた。先発・小松悠真(3年)が4回裏、中前打にボークと暴投で先制点を献上。だが、小松は5回表1死二、三塁から左越え逆転二塁打でミスを挽回し、波に乗った。目覚めた打線は6、7回、ともに打者一巡の猛攻で計12点を追加して勝負を決めた。

 昨年、酒田北のエースだった小松は、学校統合でレギュラー入りに危機感を持っていた。冬季練習では、約10メートル先の直径30センチの的に毎日300球前後の投げ込み。制球力を高めてアピールした。背番号は10。春のエース番号は後輩の高橋智典(2年=酒田工)に譲った。だが、春の県大会初勝利に続き、自らの手でチーム史に残る夏白星を挙げた。発足後のチームは公式戦5勝3敗。全白星がコールド勝ちと、すでに一丸となる攻撃力がある。小松は「来年以降も後輩たちの目標になれるように、少しでも上を狙いたい」と闘志を燃やした。【佐々木雄高】