<高校野球青森大会:弘前9-0八戸北>◇20日◇準々決勝◇青森市営球場

 学校創立130周年の弘前が7回コールドで八戸北を下し、14年ぶりの4強進出。

 弘前ナインの歓声がとどろいた。1番葛西一優外野手(2年)が6回、満塁一掃の左中間三塁打など2安打5打点。7回には3番大道寺拓内野手(3年)が左翼席に本塁打など計11安打。エース平川航希(3年)は5安打完封し、バックは無失策。圧勝だった。

 「各選手がこんなにすごい集中力を発揮してくれるとは。びっくりです」と五十嵐喜代敬監督(39)。初戦(2回戦)から4回戦まで3試合とも1点差の勝利。打線がいまひとつ不振で、苦しい試合が続いた。前日の19日、ビデオで各選手が自分の打撃を分析。その効果が表れた。

 大道寺は小、中、高を通じて公式戦初の本塁打。前の打席まで16打数無安打だったが、今大会初ヒットがホームランとなった。「ビデオで分析したら、打ち急いで大振りになっていた。今大会で初めて自分のスイングができた」と、にっこり。

 野球部創部も1902年(明35)と古く、青森県の野球の草分け的存在。甲子園は71年センバツに1度出場。夏は70年代に当時の北奥羽予選(青森・岩手)に再三勝ち進んだが、あと1歩で逃している。名門が歴史的な夏に突き進む。【北村宏平】