<高校野球福島大会:福島北4-0二本松工>◇11日◇1回戦◇信夫ケ丘球場

 昨夏16強の福島北が二本松工に勝ち、好発進した。160センチの右横手エース佐藤晃大(3年)が3安打に抑え、公式戦初完封を飾った。

 160センチの小さなエース佐藤晃は勝利の瞬間、両手で高々とガッツポーズし、体いっぱいで喜んだ。1度も二塁に進ませず自身初の完封を達成。「打たせてとる自分の理想のピッチングが出来た。(完封は)出来ると思わなかったのでうれしい」と満足そうに振り返った。

 自慢のスローカーブが生きた。120キロ台の直球と70キロのカーブ。その落差で打者を翻弄(ほんろう)した。「ゆるいカーブを打ち上げてくれた」。アウト27個中10個をフライで仕留めた。コースを丁寧に突き四死球はゼロ。前夜は緊張で4時間しか眠れなかったが、落ち着いたピッチングで夏初戦を飾った。

 「牛乳めっちゃ飲んでるんですが…」。身長にコンプレックスはある。野手から投手に転向し、わずか1年。「自分がふつうに上から投げても打たれると思う」。サイドからタイミングをずらす投球術を磨いてきた。「スタイルを貫けた。あさってもこの調子でいきたい」。大きな自信を胸に、13日の橘戦に臨む。【高場泉穂】