<高校野球秋田大会:秋田商3-1秋田西>◇13日◇1回戦◇秋田・山田久志サブマリンスタジアム

 秋田商が秋田西を下し、3連覇へ向けて好スタートを切った。先発の右下手投げエース佐々木泰裕(3年)が9回4安打1失点、自己最多を更新する14奪三振の快投。打っても2安打1打点の活躍で快勝した。

 秋田商エース佐々木が、夏初戦からアクセル全開だ。下から浮き上がる最速125キロ直球に変化球を織り交ぜ、3回を除く毎回の14奪三振。秋田の大先輩で、元阪急山田久志氏の名を冠した「サブマリンスタジアム」で自己最多記録を更新した。「ここ、サブマリンっていうんですよね。特別ってことはないですが…まず勝てて良かった」と笑顔で話した。

 2回に1失点後、ギアを上げた。相手打者をのけぞらせるほど内角をずばずばと突く強気の投球で、三振の山を築いた。太田直監督(35)も「自分で投球を組み立てられるようになった。成長を感じました」と合格点を与えた。

 昨夏、2年生エースとして甲子園を経験。だが「(自分の球に)力がなくて、自信を持って投げられなかった」という。富山第一相手に8回途中11安打5失点で降板し初戦敗退。苦い記憶を胸に、冬場は走り込みなどで下半身を強化し、体重は5キロ増えた。重心が後ろになるようフォームも改善、チェンジアップも習得して投球の幅を広げた。

 チームは秋田では戦後初となる3年連続の甲子園出場を目指す。この日2安打1打点とバットでも活躍した佐々木は「1つ1つ勝って、今度こそ甲子園で勝ちたい」。ひと回り成長したサブマリンは頂点をにらんだ。【成田光季】