<高校野球福島大会:小高工5-0福島高専>◇14日◇2回戦◇いわきグリーンスタジアム

 小高工のプロ注目右腕菅野秀哉(3年)が、春、夏、秋を通じて福島大会史上初の完全試合を達成した。福島高専の打者27人から三振13、内野ゴロ9、内野フライ1、外野フライ4の内容でチームを3回戦に導いた。

 最速143キロを誇る小高工の菅野が、福島の歴史を塗り替えた。9回1死から2者連続三振で締めた。1人も走者を許さず、打者27人を93球で封じた。春、夏、秋を通じて、過去12人の完全試合はすべてコールドゲームの参考記録。峯岸聡監督(34)は「僕も初めての経験なので、すごいなと思った」と、右腕エースの偉業に驚きを隠せなかった。

 11日の安積との1回戦は先発して6回からマウンドを譲り、7回1死満塁から再登板してピンチを断った。先発の5回までは速球を打ち込まれて被安打9の2失点。その反省を生かし、この日はスライダー、カットボール、フォークの変化球主体。139キロを計測した速球を見せ球にして、福島高専に最後まで的を絞らせなかった。

 1年春からベンチ入りし、2年春から背番号1を背負う。昨春県3位、昨夏4強入りの原動力となり、プロにも注目される。チームは過去6年でベスト4が4度あるが、夏の大会に初参加した65年以来、決勝進出は1度もない。峯岸監督は「これで勢いがつくといいですね」と話し、菅野は「この夏は絶対に甲子園に行きたい」と、力を込めた。

 ◆菅野秀哉(かんの・しゅうや)1996年(平8)7月8日、福島県相馬市生まれ。小3の時、地元の桜ケ丘レッドイーグルスで野球を始め遊撃手。中村一中3年で本格的に投手となり、東北大会出場。小高工では1年春からベンチ入り。家族は両親と姉、兄。183センチ、75キロ。右投げ右打ち。血液型B。