<高校野球山形大会:上山明新館6-5東海大山形>◇14日◇2回戦◇荘銀・日新スタジアム

 上山明新館は東海大山形に逆転勝ちし、10年ぶりの16強進出を決めた。2点を追う9回裏2死走者なしから1点差とし、2死二塁から3番長岡広樹内野手(3年)の2試合連続2ランで勝利を手繰り寄せた。

 上山明新館の長岡広が、約800人の全校生徒で埋められた三塁側応援席に向かってガッツポーズを決めた。12日の米沢工戦に続く2試合連続アーチ。「インコース高めの変化球。感触は良かった」と起死回生の逆転弾を振り返った。

 米沢工戦は先制二塁打と中押し2ランを含む4安打3打点。だがこの日は内角攻めに苦しみ、4打席まで無安打だった。2点ビハインドで迎えた9回は2死から1番大山竜生と2番村岡直樹(ともに3年)がつないでくれた。「お前が出たら俺が決める」。村岡と約束した通り、苦戦していた内角球を見事に攻略した。

 3月下旬の大阪遠征では奈良・薬師寺で大谷徹奘師の法話を聞き、人生観を変えた。「好きなことをやっているのに、どうして自分から取り組まないのか」。筋トレに加えて食生活も変え、体重を10キロ増やしてパワーアップした。今夏は2歳違いの弟瑞樹(1年)もベンチ入り。大会2号と5号の記念球を手にした長岡広は「もっと記念球を増やしたい」とさらなる活躍を誓った。【佐々木雄高】

 ◆長岡広樹(ながおか・ひろき)1996年(平8)9月30日、山形市生まれ。山形二小3年から野球を始める。上山明新館では投手兼任の一塁手で1年夏からレギュラー。同秋から投手で2年春はエース。右肘を痛め、同夏から内野手専念。家族は両親、兄2人、弟2人。右投げ右打ち。170センチ、77キロ。血液型B。