<高校野球静岡大会:静清工4-3韮山>◇19日◇3回戦

 静清工は延長12回、4-3で第4シード韮山を下した。

 球場にいた誰もが度肝を抜かれた。静清工が「本盗」で決勝点を挙げた。

 12回表2死三塁。三塁走者の坪田和也主将(3年)は「常に先の塁を狙っていた。どんな形でも本塁に還ろうと思っていた」。5番・尾崎竜二遊撃手(3年)が初球を本塁打性のファウルにすると、韮山・神谷投手の動揺が見えた。2球目。「走る前はどうなるか不安だった」(坪田)。三塁と本塁の中央を超えるほどのリードを取り、投手の足が上がると同時にスタートを切った。審判の手が横に広がると「安心した」。うれしさよりも、安堵(あんど)が込み上げた。

 シード校を破り、坪田は「目の前の相手を倒すだけ。チャレンジャー精神で向かっていく」と次戦を見据えた。3年ぶりVに向け、挑戦者の戦いは続く。