<高校野球北埼玉大会:本庄東0-8春日部>◇21日◇準々決勝

 北埼玉の公立進学校、春日部が初のベスト4に進出した。本庄東に10安打を浴びせ8-0の快勝だ。これで4試合連続2ケタ安打。その勢いは増すばかりだ。

 いきなりの三塁打が強打春日部の呼び水となった。1回表、先頭打者の高橋邦徳外野手(3年)が左翼へ三塁打、4番亀岡昌史内野手(3年)が犠飛を上げ、早々と先制する。3試合連続2ケタ安打の打線はもう止まらない。3回には2番からの3連打で2点を追加。さらに5回にも4四死球に2安打を絡めて3点を奪い、勝負を決めた。この日も10安打で8得点、圧勝の4強進出となった。

 ナインは自信にあふれている。「打たれてもいいんだぞ。オレたちが絶対取り返してやるから」。3回に登板、いきなり四球を与えた宇内貴弘投手(3年)は野手陣からこんな言葉をかけられた。双子の兄勝弘三塁手(3年)も声をかけてくれた。落ち着きを取り戻して後続を打ち取り、4回1/3を1安打無失点。

 今春監督に就任した熊谷公孝監督(40)はサッカー出身で、野球経験はない。「自分では好投手を育てられない」と打って点を取るシンプルな野球を目指す。進学校では平日も休日も全体練習は3時間ほど。うち1時間は打撃練習に使い、守備練習を減らした。3打数2安打3打点の主将・亀岡は「本当に打撃が大好きなチーム。打ち勝つ意識が確立して、いつも通りのフルスイングができました」と会心の勝利を喜んだ。

 昨秋は地区予選であっさり敗退したチームが、強打を身につけ初の準決勝に進出した。亀岡は「記録は素直にうれしい。2強も狙っていく」。勢いづく公立校は、4強ではまだ満足していない。