第92回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕)の出場権をかけた愛知大会の組み合わせ抽選が26日、名古屋市内で行われ、5回戦までの組み合わせが決まった。中京大中京は、今夏限りで退任する大藤敏行監督(48)の花道を飾るべく、7月21日の3回戦(相手未定)から史上7校目の甲子園夏連覇に向けスタートを切る。

 中京大中京の頂点への道筋が定まった。勝利を義務付けられている名門だが、この夏は特別だ。史上7校目の甲子園夏連覇で、退任する大藤監督の花道を飾るという「使命」がある。主将の磯村嘉孝捕手(3年)は「目標はやっぱり日本一、一番高いところに置かないと」と話した。

 開幕まで1カ月を切った段階で、90年から母校の指揮を執ってきた大藤監督の今夏限りの退任が決まった。抽選会を前に、大藤監督は自らの口で退任の事実を磯村ら選手に伝え「何とかこの子たちと、優勝したい」と口にした。選手も同じ気持ちだ。勝ち抜いてどのチームより長くともに戦い、昨夏と同じように甲子園での胴上げで、監督とお別れするシナリオを描く。

 夏春連覇が期待されながら、8強止まりだった今春センバツ後、課題だった打力を強化してきた。4番磯村は「(優勝した)去年のように、チーム全体に鋭い振りが身に着いてきた」と手応えを口にする。昨年の甲子園では春8強→夏優勝とステップアップした。磯村は「どうすれば優勝できるか分かっているから、徹底的にやる」。初戦まで残りは約3週間。最後までチーム力アップに努め、勝負の夏を迎える。