<高校野球佐賀大会>◇10日◇1回戦

 佐賀大会の開幕戦では唐津商が鳥栖商に激闘の末、4-6で敗退。延長12回を投げ抜いて敗れた唐津商のエース北方悠誠投手(2年)が来年のリベンジを誓った。

 唐津商の快速右腕、北方の208球の熱闘は報われなかった。がむしゃらに飛ばした。140キロ台前半のキレのある直球をコンスタントに投げ込み、変化球を交え4回までヒットを許さない。さすがに延長戦に入り、疲れが見え始め4点を失ったが、9回まで3安打2失点に抑えていた。だが3-3の延長12回に3点を失い、その裏の反撃も及ばず初戦敗退となった。

 同校OBで、00年に亡くなった元ダイエー投手の藤井さんに、勝利を届けられなかった。父伸一さんが、現在も続いている藤井さんの後援会長を務めている縁で、毎年命日の墓参りを欠かさない。この日の朝も墓参りをし「勝たせてください」と手を合わせていた。「まだ投げたかった。必ず甲子園に出たいと思います」と悔しがった。

 執念は見せた。1点ビハインドの10回裏1死二塁のチャンスでは、気迫の走塁を見せた。二塁走者の北方は8番松本の左前打で本塁を突き、本塁でベースカバーに入った鳥栖商の投手平塚と交錯しながら生還。試合を3-3の振り出しに戻した。打っても5打数3安打。来年こそ、藤井さんに勝利を報告する。【菊川光一】