<高校野球秋田大会>◇16日◇1回戦

 湯沢北と来春統合し「湯沢翔北」となる湯沢商工が羽後を3-2で下し、最後の夏で1勝を挙げた。

 最後の夏はまだ終わらせない。その一心でつかんだ1勝だった。湯沢商工は0-1の2回表1死二塁から、6番大野寛揮右翼手の左翼線三塁打で同点。2死後、8番田口大智中堅手の中前打で逆転すると、最後まで主導権を握り続けた。小田原康裕主将(いずれも3年)は「まだ仲間と野球ができることがうれしい」と開口一番、満面の笑みで話した。

 女子校の湯沢北と統合し、来春から「湯沢翔北」となる。ナインは今年4月の全校集会で知った。悔しがる選手もいたが、部室に統合を伝える新聞記事を張り「この思いを忘れないように」と結束を深めた。

 夏を前に3年生19人中5人がベンチから外れた。背番号が配られた日、3年生はグラウンドで約1時間、泣きながらミーティングを行った。メンバーはベンチ外となった仲間が普段身に付けていたミサンガを受け取り「最高の夏にするから」と誓った。現校名での最後の夏。思い出作りはまだ続く。【湯浅知彦】