メジャー4年目のエンゼルス大谷翔平投手(26)が、投打でチームの顔となっている。18日と19日のインディアンス戦では、打席でファンから「MVP! MVP!」とかけ声が上がった。MVPコールはチームリーダーのマイク・トラウト外野手(29)の打席で聞かれる定番の応援。右ふくらはぎの故障で6~8週間の長期離脱となったトラウトに代わり、大谷に「MVPコール」が継承された。

2番大谷、3番トラウトで今季ここまで打線を引っ張ってきた。シーズン序盤での主軸の離脱。大谷は先を見据えて言った。

「代わりになる選手が、あのクラスのバッターはいないというのはしょうがないことなので。自分がどうこうするっていうよりは、全員でカバーしていくっていう感じじゃないかなと。今の状況でしっかり粘って勝っていれば、トラウトが戻ってきた時にもっともっといい状態で臨めるんじゃないかなと思ってます」

とはいえ、現時点で今季14本塁打はメジャートップ。打点も上位につける大谷の打撃に期待は高まる一方だ。トラウト不在も痛いが、5月7日には、12年からエンゼルスで活躍していた強打者プホルスがメジャー40人枠から外れ、その後ドジャースに移籍した。経験豊富なベテラン選手も失った。今や、打線のメンバーの中で最もスタジアムが盛り上がるのも大谷の打席。大谷のチームと言っても過言ではないくらいだろう。

投手でも、エ軍の先発ローテーション投手の中では最も安定した結果を残している。6試合の登板で1勝0敗、防御率は2・37、30回1/3で45奪三振。一方で、開幕投手を務めたバンディは0勝5敗、防御率6・02で、右腕コブ以外の先発陣は全員、防御率5点以上と安定感を欠いている状況だ。

大谷はメジャー1年目の開幕から二刀流で活躍。右肘の故障でシーズン途中の離脱はあったものの、新人王を獲得し、チームの人気選手に仲間入りした。今季は開幕から投打で驚異的な活躍を見せている上に、トラウトが不在。大谷のスター選手としての存在感は、ますます増している。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)