米国東部時間8月1日午後6時のトレード期限を前に、エンゼルス大谷翔平投手(29)の動向をはじめ、米球界では多くの移籍情報が頻繁に飛び交うのが恒例行事となっています。藤浪晋太郎投手(29)はいち早くアスレチックスからオリオールズへ移籍しましたが、期限直前まで水面下では複雑な交渉が繰り広げられています。
メジャーで「ブロックバスター」(積み木崩し)と呼ばれる大型トレードは、今に始まったことではありません。過去には、優勝争いの佳境を前にして、大砲マーク・マグワイア、盗塁王リッキー・ヘンダーソンなど、スーパースター級の移籍が電撃的に成立しています。日本球界では、チームの看板選手がシーズン中にトレードで移籍するケースは、かなり稀なことです。ただ、米国では当該球団の思惑や利害が一致すれば、大型トレード話を進めることは当然のビジネスとして定着しています。
目先の勝利か、近い将来のチーム再建か-。
無論、成功例も失敗例も両方ありますが、近年での成功例として挙げられるのが、1998年のマリナーズで、後に殿堂入りする左腕ランディ・ジョンソン投手を、アストロズに放出したトレードが有名です。同年、アストロズは移籍後のジョンソンが10勝1敗と活躍し、地区優勝してポストシーズンへ進出しました。一方、低迷していたマリナーズは、右腕フレディ・ガルシア投手、左腕ジョン・ハラマ投手、好打のカルロス・ギーエン遊撃手の有望株を獲得。その若手3人が中軸となった01年、メジャー史上最多の年間116勝を挙げて地区優勝を飾るなど、結果的に「Win&Win」のトレードとなりました。
昨季まで低迷期が続いていたエンゼルスの場合、昨季途中、先発の一角だった右腕ノア・シンダーガード投手をフィリーズへ放出し、16年ドラフト全体1位のミッキー・モニアク外野手を獲得。さらに、ブランドン・マーシュ外野手との交換で期待のローガン・オハピー捕手とのトレードを成立させるなど、再建への道筋をたどってきました。開幕以来、大谷ともコンビを組んできたオハピーは故障離脱中ですが、モニアクは今季途中からレギュラーに定着。他球団へ主力を「ギブ」しただけでなく、しっかりと若手を「テイク」して戦力アップに成功しています。
ポイントは、残りのシーズンを勝ちに行くのか、それとも来年以降か。
今季のエンゼルスは「買い手」として補強したこともあり、とりあえず大谷のエ軍残留は確定。ただ、一時的に補強した選手のほとんどが、基本的には今オフFAとなることもあり、本当の意味での強化とは言えません。いずれにしても、今オフ、FA市場の目玉となる大谷の去就騒動が再び大騒ぎになることは間違いありません。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)




