エンゼルス大谷翔平投手(29)の歴史的シーズンも1カ月を切りました。右肘靱帯(じんたい)損傷により残り25試合はDH専念となり、シーズン終了を待たず手術に踏み切るとの報道もありますが、打者だけでも偉大な記録に挑んでいます。

中でも、最大の注目は日本選手初の50本塁打なるかです。1920年にレッドソックスからヤンキースへ電撃トレードされ、二刀流から打者に専念したベーブ・ルースが豪快なホームランで人々を魅了。大リーグ史上初の大台突破となる54本塁打を記録しました。

以来、年間50本、いわゆる「50本塁打クラブ」が超一流スラッガーの証しとなりました。これまで30人がメンバー入り。昨年はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が50本どころか、ロジャー・マリス(ヤンキース)超えの62本塁打を記録しました。

さらに大谷は50本塁打だけでなく、史上5人目の「50-20クラブ」入りの可能性もあります。3日(日本時間4日)アスレチックス戦で今季20盗塁目に成功。2年ぶり2度目の「40-20」に到達しました。大リーグ史上でも達成者は22人(のべ33度)と少なく、複数回達成はハンク・アーロン、バリー・ボンズらに続き、史上8人目の快挙となりました。

パワーとスピードを兼ね備えたエリートの勲章として最も有名なのは、30本塁打、30盗塁以上の「30-30」でしょう。これまで「30-30クラブ」には43人(のべ65度)がメンバー入り。一方、50本塁打、20盗塁以上の「50-20」は4人しかいません。古い順から1955年ウィリー・メイズ(ジャイアンツ)、96年ブレディ・アンダーソン(オリオールズ)、98年ケン・グリフィー・ジュニア(マリナーズ)、2007年「A・ロッド」ことアレックス・ロドリゲス(ヤンキース)という超豪華な顔ぶれです。

中でも、殿堂入りメイズは「史上最高の万能外野手」と言われ、通算660本塁打、338盗塁に12年連続ゴールドグラブ賞。殿堂入りグリフィーも通算630本塁打に10年連続ゴールドグラブ賞、A・ロッドも通算696本塁打に、4人しかいない「40-40」も達成しています。

さらに「50本塁打クラブ」の中で、メイズとA・ロッドが最多の24盗塁をマーク。つまり、もし大谷が50本塁打以上を放ち、かつ25盗塁以上なら、史上初の「50-25」という偉業達成になります。8月31日にはナ・リーグMVP候補筆頭のロナルド・アクーニャ外野手(25=ブレーブス)が30本塁打に到達。盗塁は両リーグ唯一の60台を独走中で、2度目の「30-30」とともに、史上初の「30-60」を達成しました。

ちなみに、大リーグで60本塁打&20盗塁の「60-20」は1人もいません。1921年にルースが59本塁打、17盗塁をマーク。また、98年にサミー・ソーサ(カブス)が66本塁打、18盗塁を残し、それが最も「60-20」に近い数字です。大谷は「50-20」から、史上初の「50-25」という大金字塔まで到達できるでしょうか。手術回避となれば、10月1日(日本時間同2日)の公式戦終了まで目が離せません。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)