MLBは2020年からスポーツ用品メーカー、ナイキが公式ユニフォームとシューズのサプライヤーとなり、スポーツグッズの製造・販売を行うファナティクスにライセンスと販売の権利を与える10年契約を結んだと発表した。これは2016年に発表されていた2020年からスポーツ用品メーカーのアンダーアーマーがフィールドで着用されるアパレルの製造メーカーになるという契約を置き換えるものだ。

ナイキは全30チームの試合用ユニフォームはもちろん、アウター、トレーニング用アパレルなどの製造を一手に引き受け、デザインも同社のチームが担当することとなる。一方のファナティクスはファン向けグッズのライセンス生産・管理する権利を持ち、さらにナイキの公式コレクションをMLB公式サイトや各チーム、一般小売店などに対して流通・販売していくということだ。

1982年から打撃練習用ジャージを、さらに2005年からは試合用ユニフォームを供給してきたのはアパレルメーカーのマジェスティック・アスレチックスだったが、ナイキと交代することとなる。ただマジェスティックは2017年にファナティクスに買収されており、今後もMLBとの関係は続くということだ。

またアンダーアーマーについてだが経営難に陥っており、現在国内外で戦略見直しがおこなれている最中で、今回の契約放棄もその一環だと見られている。

ナイキはリーグ以外にもエンゼルスのマイク・トラウト外野手やヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手、ナショナルズのマックス・シャーザー投手など500人を超えるMLBとマイナーリーグの選手と契約を結んでもいる。公式ユニフォームとともにこうした選手たちを活用したPRにも力が入れられそうだ。

ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは声明で「マーケティングとイノベーションの推進におけるリーダーとしてグローバルブランドで評価の高いナイキは理想的なパートナーです。さらに、ファナティクスははファンにスピード、高い技術、質の高いサービスを提供することを実践している貴重なパートナーです」とコメントしている。

この契約によって2020年からMLBにどんな変化が起き、我々がどんなグッズを手にすることになるのか楽しみにしたい。