MLBがプレーオフに向けてバブルと呼ばれる開催形式の導入を検討しているとスポーツ専門局ESPNなどが伝えた。

バブルとは新型コロナウイルスの感染対策として生み出された手法。選手やスタッフを消毒などの対策をとった限られた数の宿泊施設や試合会場など一種の閉鎖環境に隔離して試合を行っていくというもの。プロバスケットボールNBAはフロリダ州オーランドのディズニーワールド内の施設に設けられたバブル内でシーズンを開催中だ。またプロアイスホッケーNHLはカナダのトロントとエドモントンの2都市のバブルでシーズンを行っている。

一方、MLBはNBAやNHLのような厳しい隔離は行っておらず、それぞれのホームスタジアムで試合を行っている。無観客で同地区内の対戦に限定しているとはいえ、外と接触する可能性は否めず、それがカージナルスやレッズで感染者が出る原因になったとみられている。

そのため、MLBもバブルの採用を考えるようになったようだ。報道ではまず60試合のレギュラーシーズン最終週で、プレバブルという隔離が検討されているという。これは9月の最終週全てをロードで戦うチームはスタジアムにいない時間は、その週全てをホテルで過ごすロックダウンを行う。ロードとホームの両方があるチームはホームシリーズ中もホテルに滞在する。ホームだけのチームも1週間ホテルに滞在するというものだ。1週間の隔離生活で新たな感染のないバブルをまず形成するのである。

16チームによる3回戦制のプレーオフ第1ラウンドは、4地域のバブル環境で行うことが見込まれている。候補としては南カリフォルニアのロサンゼルス2スタジアムとサンディエゴ、テキサスのアーリントンとヒューストン、シカゴの2スタジアムとミルウォーキー、ニューヨークの2スタジアムが挙がっているということだ。

次の地区シリーズはア・リーグがサンディエゴで、ナ・リーグがアーリントンが候補地となっている。リーグ優勝シリーズに関しては1都市に集中するか2都市を維持するか未定だとした。

このバブル形式での開催に関しては選手やスタッフが閉鎖された同じ環境に長く閉じ込められることになる。ストレスがたまる生活を強いられることになり、MLB選手会がこれを受け入れられるかは不明だ。報道でもまだMLBと選手会の交渉は行われていないとされている。NBAとNHLでは選手会側もシーズンの再開を強く望んでいたのですんなりと受け入れたが、最強の労組と呼ばれるMLB選手会はどう出るだろうか。