エンゼルス大谷翔平投手(23)が3試合連続の本塁打を放った。アスレチックス戦に「8番DH」で出場。0-6の2回2死走者なしの第1打席で、151キロの速球を中堅スタンドにたたき込んだ。

 米国には「ホームラン・アーティスト」という言葉がある。飛距離、打球速度、角度、どれをとっても申し分のない1発はまさに芸術であり、それを放てる打者は「アーティスト」。大谷が放ったメジャー第3号は、まさにそのすべてを兼ね備えた芸術的1本だった。

 大リーグが15年から導入しているボールや選手の動きを高精度に分析するシステム「スタットキャスト」によると、飛距離450フィート(136・9メートル)は、今季両リーグ7位、チームでは1位の特大弾。投手では昨年、サマージャ(ジャイアンツ)が同ポジション史上最長となる446フィート(135・9メートル)を記録しているが、これを上回った。大谷はここまで1本重ねるごとに徐々に飛距離を伸ばしており、スタントンが16年に記録したスタットキャスト史上最長の504フィート(153・6メートル)に届くのも夢ではないだろう。

 打った瞬間の打球速度は112・4マイル(約180・9キロ)で、大谷は今季複数回、112マイル(約180キロ)以上をマークしている。一般的に打球速度が110マイル(約177キロ)以上出ていると速いという印象だが、コンスタントに速い打球速度をマークする選手は、打撃成績もトップクラスという統計結果も出ており、まさに一流の証明となる。

 打球角度については、データ分析が進んだ今、本塁打が出やすい理想的な角度が割り出されており、諸説はあるものの25度から35度が最も理想的ともいわれている。大谷のこれまでの3本塁打は35度、26度、26度とまさにこの理想の範囲。多くの打者が角度をつけて打球を上げる現象は「フライボール革命」と呼ばれ、昨季話題になったが、大谷はフライボール革命の手本でもあるかのように、理想の角度で打つ打撃を身に付けている。【水次祥子】