マリナーズ・イチロー外野手の父、鈴木宣之さん(76)が23日、愛知県豊山町の自宅前で会見した。チチローこと宣之さんは20、21日のメジャー開幕戦、マリナーズ-アスレチックス戦(東京ドーム)をスタンドから観戦。「脳裏に浮かんできたのは(イチローの)少年時代。あの小さい子が45歳のメジャーリーガーとしてよくここまでやってきた。(第2戦の)8回の守備につくときに、涙がブワーっと、わき上がった」と、息子の現役最後の晴れ舞台に、涙を見せたことを告白した。

「私も大体予想していた。引退の花道になるのではと。試合前に(イチローの妻)弓子さんに聞きました」。試合直前に弓子夫人が宣之さんの席に来て「今日の試合が終わったら引退します」と伝えられたことを明かした。またイチローが来日する前に、激励の言葉もメールで送っていた。

「今まで培ってきたことを生かす人生を続けてほしい。将来のある子ども、夢のある子どもたちのために、力になってほしい」と、宣之さんは目に涙を浮かべ、息子にエールを送った。毎年、地元の小学生たちを対象にしたイチロー杯野球大会が開催されている。「全国レベルの大会にしてほしい」と今後は中部地区だけでなく、日本全国の少年少女たちへのサポートを願っていた。【伊東大介】