MLBの今季の公式球に、飛ぶボールと飛ばないボールの2種類があったと、最新の専門家の調査で明らかになった。米ニュースサイト「ビジネス・インサイダー」が11月30日(日本時間12月1日)、伝えた。スポーツデータサイエンティストのメレディス・ウィリス博士が今季の公式球を調査し明らかになったもので、ボールのコア部分が軽い材質のものと、重い材質のものがあったという。

MLBでは2019年、本塁打が記録的ペースで量産され過去最高の6776本が記録された。それを受け、今季からボールのコア部分を軽い材質に変え、飛ばないボールの使用を開始すると発表していた。ところが実際には、コア部分が重い材質の古いボールも使われていたという。新しいボールは124~125グラム、古いボールは127グラムで、飛距離に差が出ることが実験で明らかになっている。

記事によると、MLBは今季、コロナ禍の影響で新球の製造が間に合わず、不足を避けるため古いボールも供給していたと説明しているという。選手会には2種類のボールが供給されていることを通達したとも説明しているが、10人の選手に確認したところ誰も知らなかったという。

飛ぶボールと飛ばないボールが各球団に同じ割合で供給されていたのかは不明で、偏りがあったとすれば公平さが保たれないとして、困惑の声も出ている。