本領を発揮し始めたレッドソックス吉田正尚外野手(29)は25日(日本時間26日)、敵地オリオールズ戦に「4番左翼」で出場し、4打数2安打1四球と6試合連続安打、4試合連続マルチ安打をマークした。

日本で首位打者2回を獲得したバットマンが、完全にペースをつかみだした。1回1死一、二塁の第1打席は二ゴロ併殺に倒れ、23日からの連続安打は5打数でストップした。だが、3回の第2打席に、カウント0-2と追い込まれながらも、真ん中低めのカーブに対し、巧みな流し打ちで三遊間を破る左前打。4回の第3打席にも、右前打をはじき返した。

23日に初の満塁弾を含む1イニング2本塁打を放つと、前日24日は3打数3安打と単打で快音を重ねた。「マッチョ」の異名通りのパワーだけでなく、状況や相手投手に応じたバット操作にも、本来のキレ味が戻ってきた。「結果として安打が2本出たし、四球も1個取れたけど(打球の)コースが良かっただけ」。あくまでも謙虚な姿勢を崩さない一方、過去6試合は24打数12安打、打率5割の固め打ち。一時は1割台を低迷した打率も、2割7分8厘まで跳ね上がった。

それでも、米1年目の吉田に油断はない。メジャーの公式戦は162試合の長丁場。どんな選手でも、アップダウンは避けて通れない。「一喜一憂しないようにしたい」。結果を問わず、かぶとの緒を締める姿勢は変わっていない。