1年目でイチローを超えた。レッドソックス吉田正尚外野手(29)が14日、後半戦開幕の敵地カブス戦に「2番DH」で出場し5打数2安打。球宴を挟んで8試合連続のマルチ安打をマークした。第3打席まで凡退も、7回にしぶとく中前打を放つと、9回にも左前打。打率を3割1分7厘と上げ、リーグ1位のディアス(レイズ)に6厘差と迫った。

8戦連続のマルチ安打は、7戦連続を5度記録したイチローを超える日本勢最長。初対決ばかりの先発投手との序盤で苦戦する一方、試合終盤にきっちりと対応して結果を残すあたりが真骨頂。修正能力の高さはもはや1年目のレベルではない。それでも「(記録は)うれしいが、常に安打を打ちたいのでそこまで記録に執着はしていない」と、目の前の結果に一喜一憂しなかった。

チームも快勝し、6連勝で貯金は「6」。ワイルドカード争いではヤンキースと並び、「圏内」の3位まで2ゲーム差に接近した。「僕らはイチローさんや松井(秀喜)さんを見ていた世代。またお会いできたら、あいさつしたい」。偉大な先人と比較されても、吉田の姿勢はあくまでも謙虚だった。

▼吉田が8試合連続マルチ安打。日本選手の8試合連続マルチ安打は、イチローが5度記録した7試合を上回る最長記録となった。レッドソックスの左打者では「最後の4割打者」で知られる1940年テッド・ウィリアムズ(同年は打率3割4分4厘)に並んだ。大リーグ記録は1923年ロジャース・ホーンスビー(カージナルス)の13試合。プロ野球では、52年後藤次男(阪神)54年ルイス(毎日)01年小笠原道大(日本ハム)の10試合が最長。