オリオールズ藤浪晋太郎投手(29)が日本人メジャー歴代最速の102・6マイル(約165・1キロ)をたたき出した。

6日(日本時間7日)、本拠地でのメッツ戦に4番手で登板。エンゼルス大谷翔平投手(29)が昨年9月10日(同11日)に記録した101・4マイル(約163・2キロ)を上回る快速球を軸に、1回無安打無失点2奪三振。全9球ストライクの力勝負で、アスレチックスから移籍後初、今季4ホールド目を記録した。ア・リーグ東地区首位のチームで、存在感を増している。

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藤浪は阪神在籍時の2年前、「幻の168キロ」で札幌ドームをどよめかせている。21年6月8日の日本ハム戦。同点の7回裏に登板し、1イニングを無失点でこのシーズン初ホールドを記録した計20球のうちの1球だ。先頭近藤(現ソフトバンク)への4球目、ファウルを奪った直球が球場スピードガンで168キロを計測した。残り19球の最速は158キロ。記事内で「打球速度の表示とみられる」とした表現を猛烈に後悔しているのは、後に本人から裏話を聞いたからだ。

「あの時、実は球団スタッフのトラックマンでも168キロと計測されていたらしくて。さすがに自分から『出てました』と言う勇気はなかったですけどね」

当時から大器はリリーフ登板時の無意識なギアチェンジに気付いていた。「人の勝ち星とか勝利打点を背負って投げる場面は気持ちが入る。一瞬で体のたがが外れてしまう」。日本人メジャー最速165キロを計測したこの日も、優勝を争うチーム状況下で2点リードの8回に出番が訪れたと考えれば、最速更新に違和感はない。

「リリース時にどれだけ力を集約できるか、安定させられるか」と常々強調していた右腕。現状、2段モーション気味に「ため」を作るメカニックがしっくり来ているのは間違いない。本人は「出るに越したことはないけど…」程度のこだわりだろうが、まだ最速は伸びそうな気がする。【野球デスク 佐井陽介】