オリオールズ藤浪晋太郎投手(29)が日本人メジャー歴代最速の102・6マイル(約165・1キロ)をたたき出した。

6日(日本時間7日)、本拠地でのメッツ戦に4番手で登板。エンゼルス大谷翔平投手(29)が昨年9月10日(同11日)に記録した101・4マイル(約163・2キロ)を上回る快速球を軸に、1回無安打無失点2奪三振。全9球ストライクの力勝負で、アスレチックスから移籍後初、今季4ホールド目を記録した。ア・リーグ東地区首位のチームで、存在感を増している。

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地元スタンドがざわつく剛球ショーだった。2点リードの8回が、藤浪の出番だった。まずは、3番アロンソをカットボールで見逃し三振に仕留めると、4番スチュワートには自らのメジャー日本人最速を更新する102・6マイル(約165・1キロ)の外角高めの速球で空振り三振。5番ナルバエスは2ストライクから102・3マイル(約164・6キロ)の速球で力ない遊飛と完璧にねじ伏せた。

メジャーを志した際の初心通り、力で挑んだ。無駄な球を投げることなく、全9球がストライク。真ん中に構える捕手をめがけて真っ向勝負で圧倒した。速球6球すべてが100マイル(約161キロ)超えと、最高レベルの球威でバットを押し込んだ。試合後は、通訳を通し、地元メディアに思いを語った。「2点リードの状況はあまり考えず、投手コーチからアドバイスをもらい、呼吸に集中した。深呼吸をして落ち着き、ゾーンを攻めること。今日はこの2つだけに集中した」。

5月下旬、左足を上げた際に二段モーション気味に右足に力をためる動作を強めた。上半身と下半身のタイミングがはまり、制球は落ち着きだした。力むことなく、適度に脱力すれば球威も増す。試合後のハイド監督は「すばらしかった。これまで見た中でベストの投球。ファンタスティックで圧倒していた」と称賛の言葉を並べた。今後も、球宴にも選出された右腕カノらとの兼ね合いで、セットアッパーとして起用する考えを明かした。

2日の敵地ブルージェイズ戦では、制球が荒れて3四死球。藤浪自身に勝敗はつかなかったものの、チームは敗れた。それでも、藤浪は「負」の要素を引きずらなかった。4日は9回から救援し、無失点でフィニッシュ。好感触を取り戻していた。同監督は「崩れた登板後は、不安もあったはず。(厳しい場面で)再びマウンドに上がることを望んだ彼を誇らしく思う。フジがどんな投手なのかを示した」と、メンタル面での強さをたたえた。

少ない好機で2得点を挙げ、5投手の好継投で完封勝ちしたオ軍は4連勝を飾り、リーグ最速で70勝に到達した。残り50試合。オ軍にとって16年以来7年ぶり、藤浪には初となるポストシーズン進出への地盤が、着実に固まってきた。

▼オリオールズ藤浪がメッツ戦の8回、自身の日本人メジャー最速102・1マイル(164・3キロ)を更新する102・6マイル(165・1キロ)を記録した。2位はエンゼルス大谷で、NPBでは日本ハム時代にCSで165キロをマークしているが、メジャーでの最速は22年9月10日(日本時間11日)アストロズ戦での101・4マイル(163・2キロ)。藤浪は101・5マイル(163・3キロ)以上を既に18球投げているが、165キロ超はこの試合が初めてだった。

▼藤浪の月別成績は、4→5→6→7月で防御率が良化。直球の平均球速は上昇し、6月以降は160キロ台に乗った。4月に56・0%だったストライク率は、7月には63・1%となり、8月は72・7%となった。

▼9回に守護神バティスタも101・9マイル(164・0キロ)の球で三振を奪った。MLBのラングス記者によると、101マイル(162・5キロ)以上の球で複数の投手が三振を奪ったのは、スタットキャストで計測開始後の08年以降でメッツのデグロム&ディアスらに次いで、のべ8例目。オ軍では初めて。

【動画】藤浪晋太郎165キロ! メジャー日本人最速 勢いで体を一回転