パドレスのダルビッシュ有投手(36)が、日本人メジャーリーガーで通算最多奪三振を更新した。14日(日本時間15日)、本拠地ペトコパークでオリオールズ戦に先発し、6回までに6奪三振。前記録保持者でパ軍の野茂英雄アドバイザー(54)が見つめる前で通算奪三振を1919とし、記録を更新した。7回を投げて8安打6奪三振4失点で今季8敗目を喫し、日本選手初の全30球団勝利は逃したが、偉大なパイオニア超えには笑みを浮かべた。

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ダルビッシュが先駆者の前で、日本人投手の歴史を塗り替えた。6回、先頭の5番マウントキャッスルを94・2マイル(約151キロ)の高め直球で空振りさせて3球三振。野茂の記録に並んだ。2死後、ウリアスを2球で追い込むと、95・2マイル(約153キロ)の高め直球でまたも空振りの3球三振に斬った。メジャー12年目で積み上げた通算1919個目の奪三振に、汗をぬぐいながらマウンドを降りた。

ついに尊敬する存在を超えた。「2007年から交流があり、明るくて優しく、いろんなことを教えてくださる。今も昔も信頼できる方で(記録更新は)うれしい」と笑みがこぼれた。幼少期にテレビで見ていたレジェンドは同じ大阪出身で、オフには食事をともにし、春季キャンプ中には相談もした。19年ごろから制球難の不安を抱えていたことを話した際に「そんなの仕方ないやん」と言われたことが印象に残っている。「仕方ない、と言えるのはこの世界では強い。僕はそう考えられなかったので」。自分を追い込みすぎるな、という意味の助言と受け止めている。

この日は最速96マイル(約154キロ)を出すなど「全体的に真っすぐが良かった」が、5回1死満塁から3点二塁打を浴びるなど7回4失点で8敗目を喫した。野茂、黒田博樹を超える日本人初の30球団勝利は逃したが、7回を投げ切ってブルペン陣の負担を減らした。メルビン監督は「結果が投球の良さを物語ってはいない」と評価した。そして「おそらく日本の歴史の中で最も優れた2人の投手でしょう」とたたえた。

野茂、黒田に次ぐ日本人3人目の日米通算200勝まで、残り4勝に迫る。野茂は36歳シーズンの05年に達成した。16日に37歳の誕生日を迎えるダルビッシュ。今季、直球の平均球速は94・7マイル(約152キロ)で、25歳だった渡米1年目の93・3マイル(約150キロ)を上回る。衰え知らずの右腕が、新たな金字塔に向かっていく。

▼ダルビッシュが6三振を奪い、大リーグ通算1919奪三振。野茂英雄の1918奪三振を上回り日本人最多記録を更新した。

▽オリオールズ・ハイド監督「ダルビッシュは本当に良く(打者の)バランスを崩させる投球をしていた。次に何を投げるか分からないんだ。どのカウントでも何でも投げられるからね」

【動画】ダルビッシュ、野茂英雄さんが見守る前で決めた メジャー日本人投手最多奪三振記録更新