右肘の靱帯(じんたい)を損傷しているエンゼルス大谷翔平投手(29)と球団側のやりとりで、新たな事実が発覚した。

26日(日本時間27日)、ペリー・ミナシアンGMが故障発覚までの経緯を説明。今月3日(同4日)のマリナーズ戦後にMRI検査を提案したが、大谷と代理人が受け入れなかったことを明かした。また、今回の損傷箇所は18年の時とは異なることも判明した。この日、大谷はメッツ戦に「2番DH」で出場し、3打数2安打1打点、2盗塁でチームの2連勝に貢献した。

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ミナシアンGMの説明は、何を意味していたのだろうか。メッツ戦の試合前、同GMが大谷の右肘に関するメディア対応を2日連続で行った。「画像による検査をしたのは、彼が故障したと感じてからのこと。早い段階で検査の提案はしたが、彼と代理人は受け入れなかった」。球団側の提案は今月3日、大谷がマリナーズ戦で先発して中指のけいれん(つる症状)を訴えた後だったという。

前日にも、似たような質問があった。一連の症状から危険信号だと思わなかったのか。同GMは「いや、腕に問題はなかった。ただの疲労とけいれん」と話していた。だが、実際には故障を疑っていた。「彼と代理人が必要ないと感じていた。それを私は尊重した。同意がなければできない。指のけいれんで検査は必要ないと判断するのは理解できる」。最終的に大谷が痛みを訴え、検査に至った。

同GMは併せて、故障箇所が18年の時とは異なることも明かした。「詳細は分からないが、場所が異なり、症状も違った。つまり、前とは感じ方も違う」。大谷側の意見を信じ、早い段階での検査を見送った。「信頼関係がある。そうやって、3年間を過ごしてきたし、素晴らしいシーズンになった。個人的に、後悔は全くない」。大谷と代理人のネズ・バレロ氏、水原一平通訳を含めた関係性は固いことを強調した。

球団側の管理不足を指摘する声も上がっていた中で、弁明のように捉えられても仕方ない。大谷側に了承を得た上で、今回の情報を開示したのかもしれない。ただ、大谷本人の言葉がない以上、球団側とのやりとりは臆測の域を出ない。

そもそも、提案した、受け入れなかった、そこを今、論ずるべきことなのか。現時点で、再手術など今後の方針を決めるのは、大谷サイドに委ねられている。セカンドオピニオンを含めてどのような状況か、焦点はそこにある。【MLB担当=斎藤庸裕】

◆大谷の異変の経緯(日付は現地時間)

6月27日 ホワイトソックス戦 右手中指の爪が割れる

7月4日 パドレス戦 同様の症状が再発

7月14日 アストロズ戦 同様の症状が再発

7月27日 タイガース戦 ダブルヘッダー第1試合で完封後、第2試合で体のけいれんを発症し、途中交代

7月28日 ブルージェイズ戦 両足ふくらはぎのけいれんで途中交代

8月3日 マリナーズ戦 右手中指のけいれんで4回降板

8月13日 先発ローテーションを1度飛ばすことを自ら申し出る。理由は「右腕の疲労」

8月23日 レッズ戦 ダブルヘッダーの第1試合に登板し、「右腕の疲労」で2回途中で降板。試合後、検査の結果、右肘の靱帯(じんたい)損傷が発覚