【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)27日(日本時間28日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が歴史的一戦で歴史的パフォーマンスを見せた。ブルージェイズとのワールドシリーズ第3戦に「1番DH」で4打数4安打2本塁打。さらに4連続敬遠と1四球で9打席9出塁はポストシーズン史上初と、記録ずくめの活躍だった。過去最長タイ延長18回の死闘となり、2日前に先発した山本由伸投手(27)もブルペンで準備。最後はフレディ・フリーマン内野手(36)のサヨナラ弾で決着し、ド軍が「最高の6時間39分」を制して2勝1敗とした。
◇ ◇ ◇
サヨナラ弾を見届け、大谷は大ジャンプで目いっぱい喜んだ。歓喜に沸くナインの輪に跳びはねて入っていった。両手を広げ、何度もバンザイ。6時間39分の歴史的な死闘となった一戦を、全員野球で勝ちきった。そして、左翼ブルペンへ向かって走った。中1日にもかかわらず、延長19回となった場合に登板するために準備をしていた山本、8回1死から好救援した佐々木と、日本人トリオでもう一つの歓喜の輪を作った。
興奮冷めやらぬ中、試合後のインタビューで言った。「うれしい気持ちもありますし、すごくほっとした気持ちもあります」。総力戦で救援陣を使い切った上に第2戦で完投した山本が投げるような展開となれば、先発ローテーション再編を強いられる。翌日の第4戦で投打の二刀流として出場する自身にとっても、試合が長引けばリカバリーの時間が少なくなる。延長18回裏ですでに時計の針は午後11時30分を回っていた。両軍ギリギリの状態で、勝ち負けの差はとてつもなく大きい。「勝ったのが全てかなと。今日の自分のプレーは後から振り返ればいい。今日はもう切り替えて、明日の登板に向けたいなと思います」と胸をなで下ろしながら、先を見据えた。
そんな歴史的な大接戦を演出したのは、大谷でもあった。第1打席、通算221勝のレジェンド右腕シャーザーから二塁打を放ち、3回の第2打席は内角球に詰まりながらも右越えに運んだ。勢いは止まらない。第3打席は5回1死一塁から左腕フルーハティのスイーパーを捉え、左中間への二塁打。「カモーン!」と叫び、チームを鼓舞した。1点勝ち越された直後の7回、第4打席では右腕ドミンゲスの初球の失投を捉え、この日2本目の1発で同点。両軍譲らない息をのむ展開は、長打連発のショータイムから始まった。
もはや、大谷を止めることはできない。9回以降、1発が出ればサヨナラ決着の場面が続き、まさかの4連続敬遠。11回の第6打席は2死走者なしから敬遠されるほどの警戒ぶりとなった。続くベッツの左前打で二塁へ向かった際、右足のけいれんで減速。アクシデントもあったが、ロバーツ監督は「ショウヘイは大丈夫。明日はマウンドに上がる」と軽症を強調した。
延長18回の死闘を終え、翌日に投打でプレーする体の負担は計り知れない。だが、あと2勝で連覇の夢がかなう。「早く帰って寝て、明日に備えたい」と大谷。二刀流で全力を振り絞る-。大激戦の勝利が、何よりの活力になった。



