昨秋のNPBドラフトでソフトバンクから1位指名を受け、今月にMLBのマーリンズからドラフト8巡目(全体235位)で指名されたスタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(21)が19日、岩手・花巻市内で会見を開き、マ軍入団を正式表明した。覚悟を決めたような表情で登場。「後悔だけはしたくありません。自分自身の生き方として失敗したか、しなかったかではなく、挑戦したか、しなかったかを選ぶ人生にしたい」と話した。
心のままに従った。決断の決め手は「アメリカで挑戦してみたい」。メジャーで活躍するという夢を追いかけること以上のロマンはなかった。今後は一両日中に渡米し、マ軍と契約を結んだ後に新人合同自主トレに合流予定。「厳しい競争の世界になることは間違いない。どんなに時間がかかっても必ずはい上がっていきたい」と言い切った。一方で、これまで歓待を受けてきたソフトバンクへの思いを問われると、思わず涙。「(マ軍に入団することになり)大変申し訳ありません」と声を詰まらせた。
雑音を振り払うには結果で証明するしかない。花巻東の先輩でもあるドジャース大谷翔平もメジャーの舞台で二刀流を成功させ、周囲の疑念を一蹴。佐々木にもいばらの道が待っていることは間違いない。それでも「新たな道の開拓が佐々木麟太郎の使命、宿命だと心に刻みアメリカで頑張ってまいりたいと思います」。家族、ソフトバンク、友人、地元-。さまざまな人の思いを背負って海を渡る。
◆佐々木麟太郎(ささき・りんたろう)2005年(平17)4月18日生まれ、岩手・北上市出身。幼少時から野球を始め、江釣子小1年時から江釣子ジュニアスポーツ少年団に入団し、江釣子中時代には大谷翔平(ドジャース)の父徹さんが監督を務める金ケ崎シニアでプレー。花巻東では1年春からベンチ入り。甲子園は2度出場。2年春が初戦敗退、3年夏は8強。高校通算140本塁打。24年9月にスタンフォード大へ進学。184センチ、113キロ。右投げ左打ち。家族は両親と妹。
○…佐々木の父で、花巻東の監督の佐々木洋氏(50)が複雑な心境を吐露した。佐々木の決断を受けてコメントを発表。「ドラフト1位枠を無駄にしてしまう形となる(ソフトバンク)球団の皆さまのお気持ちを思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです」としながらも「自らの夢に挑みたいという強い意志を尊重し、父親として遠くから静かに見守り応援してまいりたい」と息子の背中を押した。
◆日本のプロ経験がない日本人メジャーリーガー 過去にNPBを経由せずメジャーデビューしたのは鈴木誠(滝川二中退)、多田野数人(立大)、田沢純一(新日本石油ENEOS)、加藤豪将(ランチョバーナード高)、西田陸浮(オレゴン大)の5人。
◆ドラフトから直メジャー ドラフトで指名されマイナーを経験せずにデビューした選手は、ドラフトが開始した65年以降で24人。直近では24年ドラフト2巡目で指名されたエンゼルスの右腕ライアン・ジョンソンが25年にデビューした。24人中、1巡目指名が20人、2巡目が2人、3巡目と7巡目がいずれも1人。



