<ワールドシリーズ:ヤンキース7-3フィリーズ>◇第6戦◇4日(日本時間5日)◇ヤンキースタジアム

 本拠地に戻り「5番DH」で先発復帰したヤンキース松井秀喜外野手(35)が、先制の2点本塁打を含む3安打で、1960年のリチャードソン(ヤンキース)のワールドシリーズ記録に並ぶ1試合6打点をマークした。

 2回無死一塁で、マルチネスから右翼2階席へ豪快に先制2ラン。第2、3戦に続くワールドシリーズ3本目、今ポストシーズン4本目の1発でチームを勢いづけた。

 第2戦で決勝本塁打を放っているフィリーズ先発マルチネスを圧倒した。外角速球を2度、痛烈な当たりでファウルして場内を沸かすと、際どいコースを見逃し、フルカウントから真ん中に甘く入った速球を豪快に仕留めた。

 右腕に対し、「(対戦したことが)プラスマイナス、どういうふうに出るか分からない」と慎重だったが、結果は松井にプラスに出た。2-1とされた直後の3回2死満塁の第2打席では、カウント2ストライクと追い込まれながら、中前へ2点適時打。右腕が外角高めに外してきた速球に、バットを投げ出すように出して好打した。

 勢いは止まらない。5-1の5回1死一、二塁では、代わった左腕ハップから右中間フェンス直撃の2点二塁打。“世界一”を目前にした大一番での猛打。大観衆は「MVP」と松井の最優秀選手選出を求めるコールを響かせた。