大商大(関西6大学)が大体大(阪神大学)との関西対決を制し、32年ぶりに8強入りした。7回に代打の麓(ふもと)大成外野手(3年=近大付)が決勝打。エース岡田明丈(4年=大商大高)から小屋裕(3年=神戸国際大付)への継投で反撃を封じた。

 一時は野球をあきらめかけた大商大・麓が32年ぶりの扉をこじ開けた。7回に決勝打。代打でベンチを出る際に「打たんかったら引退やぞ」と強烈なハッパをかけられた富山陽一監督(50)に、「引退はなしやな。ありがとう」とねぎらわれた。近大付3年夏の大阪大会準決勝で、その年の甲子園春夏連覇の大阪桐蔭に7回コールド負け。麓はチーム唯一の安打を放ったが右肩痛に苦しみ、野球断念も考えた。「富山監督に出会い、信じてついて行こうと思いました」と大舞台で恩返し。岡田は制球に苦しみながらも2失点。「試合の中で修正できた。大きな経験」と喜びをかみしめた。