身近な「ライバル」と競争だ!! ソフトバンクからドラフト2位指名を受けた日大三島の小沢怜史投手(3年)が25日、三島市内のホテルで同球団との初交渉に臨み、入団合意した。契約金6000万円、年俸700万円(金額はすべて推定)。背番号は未定。長期的な目で育成される予定の小沢は、同球団に1位指名された高橋純平投手(県岐阜商3年)と切磋琢磨(せっさたくま)し、1軍マウンドを目指す決意を示した。

 サインを終えた小沢は緊張気味の表情で「具体的な話をいただき、より一層プロ野球選手の自覚が強くなりました」と決意を新たにした。1年目の具体的な目標を問われると「そこまでイメージできていません。まずはじっくりと体を作りたい」と長期的な視点でのレベルアップを口にした。

 1位指名は同じ東海地区で、同じ右腕の県岐阜商の高橋投手だった。小沢は「素晴らしい投手。ライバルとして一生懸命競い合って行ければいい」と競争相手として意識している。その上で「自分にない部分も持っていると思うので、見習うべきは見習っていきたい」と共闘する姿勢もみせた。最大の武器となる最速152キロの直球について「ストレートに磨きをかけ、アピールしていきたいです。155キロを目指したい」と成長を誓った。

 交渉に同席した父竜彦さん(48)は「りりしく見えました。活躍を心待ちにしたい」と感無量の様子。契約金からのプレゼントを約束してくれた息子に「1軍のマウンドに立ってくれれば…。お金では買えないプレゼントです」と話し、母麻貴さん(43)も「まだ夢を見ているようです。夢でないことを試合で見せてほしい」と、活躍を願った。

 入団発表は12月2日。来年1月には入寮し、自主トレがスタートする。2年連続日本一の層の厚い投手陣の中で、まずは3軍から実戦経験を積むことが有力。1日も早く静岡の両親のもとに朗報を届けるため、小沢がライバルとの競争を続けながら飛躍を目指す。【鈴木正章】

 ◆小沢怜史(こざわ・れいじ)1998年(平10)3月9日、岐阜・大垣市生まれ。三島市に移りリトルジャイアンツをへて静岡裾野シニアへ。日大三島に進学し1年秋からメンバー入り。2年春は右翼で秋からエース。昨秋は東海大会4強で、今春は負傷もあり県大会初戦敗退。今夏2回戦で152キロを計測。右投げ左打ち。180センチ、78キロ。