オリックスは開幕西武戦に攻撃的オーダーで臨む。福良監督は「吉田は1番でいく」と、ドラフト1位の吉田正尚外野手(22=青学大)の1番起用を明言した。球団の新人開幕1番スタメンは73年ぶり。守備の負担を考慮されて指名打者に入る。オープン戦ラスト3試合で開幕1軍に滑り込んだ期待の長距離砲が、菊池攻略の突破口を開く。

 吉田正は24日の練習中に、指揮官に1番起用を通達された。「1番は公式戦で出た記憶がない。中学生以来。1番というより、自分のスイングをしろということだと思う。しっかり振って塁に出たい」。打順に関係なく、持ち味のフルスイングを貫き通す考えだ。

 チームに勢いをつけたい。俊足とは言えない新人の1番起用の理由はそこだ。福良監督は「あれだけ振れるからね。凡打しても、相手に与える印象が違ってくる」と説明した。西武菊池には通算3勝7敗1セーブ。西武プリンスドームでは、8戦で負け知らずの4勝を献上している。何度もやられるわけにはいかない。

 新打線がうまく機能すれば、1番で固定される可能性がある。福良監督は開幕戦だけでなく、今季の野手のキーマンに吉田正を指名。「どこまでいけるか期待したい」と話した。

 昨年、西武プリンスドームの開幕3連戦で3連敗スタートのつまずきが最後まで響いた。同球場では2勝11敗と鬼門だった。福良監督は「去年ここでやられている。意地を見せたい。スタートダッシュは大事。強い気持ちで優勝を狙う」と宣言。リベンジから、20年ぶり頂点を目指すシーズンが始まる。【大池和幸】

 ▼オリックス新人の開幕スタメン出場 1番打者では前身の阪急だった1943年の仁木安(にき・やすし=大阪・浪華商)が最後。11年には前年ドラフト1位の駿太が、高卒外野手として59年張本勲(東映)以来の開幕先発出場を「9番右翼」で果たした。