女子プロ野球レイアの「Wはるか」こと1番海老悠(えび・はるか)内野手(19)と3番前田桜茄(はるか)外野手(19)の2人が、10月2日のチャレンジマッチ最終戦(鹿島台中央野球場)で大暴れを誓った。約4カ月ぶりに地元の宮城県内で試合が行われ、トップ3球団選抜と対戦する。今季2度目のホームゲームに勝って、13日のジャパンカップ出場決定戦(仙台市民球場)に弾みをつける。

 「Wはるか」がかき回す! 海老が出塁し、前田がかえす得点パターンを確立し、今季の公式戦は5勝3敗と健闘している。チーム1位の16安打、同2位の7打点を挙げている2年目の前田は「海老の出塁が大きい。打線がつながっている」と相棒を絶賛。打率5割2分4厘で同1位のルーキー海老も「無心で打席に入って集中できている。狙い球をしぼって振りきれている」と新人らしからぬ強心臓で勝利に貢献している。

 「物心ついてからずっと」という左投げ右打ちの前田が打撃に開眼した。わずか3安打に終わった昨季は「ホームシックだったわけさ~」と出身の沖縄弁で弁明。今でも毎日母と祖父に電話をする家族思いの前田が昨冬、1日1000スイングを目標に無心でバットを振った。今季はチーム2位の打率4割2分1厘と安定している。「環境にも慣れたし、自分に合ったスイングができるようになった」。チーム最小兵の150センチながら、50メートル6秒69の快足で今季3本も放っている三塁打も魅力だ。

 相棒の海老が開幕戦で3安打を放ち、「1番サード」に定着したことで打線が締まった。広角に打ち分ける打撃に加えて選球眼も良く、出塁率は驚異の6割3分を誇る。「四球も安打と一緒。打率は5割を切らないで6割を目指してやっていく」と自信を見せる。

 6月3日の開幕戦以来となる今季2度目の宮城県内開催に、自然とバットを握る手にも力がこもる。海老は「待ってくれているファンのためにも全力プレーを見てもらって勝利を届けたい」と目を輝かせた。今季の最大目標であるジャパンカップ出場に向けて「絶対に出ます!」と2人は意気込む。「Wはるか」の躍動なくして、レイアの躍進はない。【高橋洋平】

 ◆海老悠(えび・はるか)1997年(平9)7月12日、茨城・神栖市生まれ。須田小1年から軟式野球を始め、波崎三中を経て埼玉栄高の硬式野球部に入部。16年にレイア入団。171センチ。右投げ右打ち。家族は両親と兄2人。血液型A。

 ◆前田桜茄(まえだ・はるか)1996年(平8)11月6日、沖縄・宜野座村生まれ。松田小3年から軟式野球を始め、宜野座中を経て神村学園高(鹿児島)の硬式野球部に入部。15年にレイア入団。150センチ。左投げ右打ち。家族は両親と姉。血液型O。