2軍で5試合に登板し、1勝1敗。防御率2・14はウエスタン・リーグ2位、24奪三振は同1位。自らの手で1軍切符を勝ち取り「準備はしっかりしてきた。チャンスをつかむというよりは、自分の投球をしっかりすればチャンスもいっぱいもらえると思う」と胸を張る。

 楽しみにしているのは投球だけではない。「大好き」と言う打撃にも注目だ。4月15日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦で山田から本塁打を記録した。「1軍の投手の球を打席で感じることは、投球にも生かせる」。瞳を輝かせ「狙います」と本塁打宣言も飛び出した。

 練習を見守った小林投手コーチは「もともと他の投手と違う球質が持ち味。(2軍で)しっかりやってきたことを出してくれればいい」と期待する。2軍寮で一緒になったドラフト3位床田寛樹投手(22=中部学院大)は中日に4月5日、7回途中3失点だっただけに「僕は7回2失点に抑えます」と先輩に宣言して寮を出た。チームは最近5カードで勝ち越しは1度。停滞感漂う中、怖さを知らない21歳が刺激剤となる。【前原淳】

 ◆中村祐太(なかむら・ゆうた)1995年(平7)8月31日、東京都生まれ。関東第一から13年ドラフト5位で入団。高校では1年秋からベンチ入り。2年春はセンバツで3完投を記録するなど、ベスト4に貢献した。プロ入り後は度重なるケガの影響もあり、3年間の登板は2軍の14試合のみで1勝4敗、防御率6・94。今季は開幕から2軍の先発ローテ入りし、5試合で1勝1敗。防御率2・14。182センチ、80キロ。右投げ右打ち。