福留さんは日本中の「キャプテン」のお手本や!! 阪神福留孝介外野手(40)が終盤にもつれたヤクルトとの打撃戦でケリをつけました。1点差に詰め寄られた9回1死一塁で左中間を破る適時打。直前に送りバントを失敗した江越のミスを「取り返してやろうと思って」とは泣かせるセリフです。前日2日は勝ち越し機で2度凡退し、「俺のせい」と敗戦の責任を背負いましたが、一夜明けて4安打。頼もしすぎるリーダーですな。

 福留の目の前で、江越が天を仰いだ。1点差に迫られた9回表無死一塁。スリーバント失敗で顔は真っ青になっていた。金本監督も右足をドンッと踏んで悔しがる。敵に流れが傾きかねない展開だ。だが、次打者席のキャプテンは気概に満ちていた。原樹の高い変化球を見逃さず、ライナーで左中間を破る。貴重な適時二塁打で突き放した。福留は奮い立つ思いだった。

 「江越のミスがあったけど、何とか取り返してやろうと思って、それだけで入りました。若手がしてはいけないミスをして、チーム全員で取り返してね。彼が次、同じような場面でできるように、チームでカバーしてやれればいい」

 窮地で踏ん張る。仲間の失敗を懐深く受け止める。だから、今年の新キャプテンに指名されたのだろう。前日2日は勝ち越し機で2度凡退し、「俺のせい。それだけの打順を打たせてもらっているわけだから責任がある」と言葉を振り絞った。一夜明け、今季2度目の4安打は意地の表れだ。2回は右翼線の安打で一塁を回ったところで転倒。「ベースが滑った。大丈夫、大丈夫」。泥だらけのユニホームに、日米19年目の生きざまがにじむ。