４点リードを守れず悔しいサヨナラ負けだ。阪神はオリックス戦で４点を先制したが、阪神能見が６回に崩れて追いつかれ、９回はマテオが打たれた。交流戦７試合の星取は、首位広島と同じ○○●●○○○で１差を保ってきたが、我慢比べに敗れて２差に広げられた。だが連勝は３で止まっても、金本監督は「カード勝ち越しに頑張る」と前を向き、今日８日の必勝を誓った。

　息をのむ接戦で、最後は我慢比べに負けた。同点で迎えた９回裏１死満塁。遊撃糸原がロメロの三遊間ゴロに飛びついた。だが懸命なプレーはあと１歩及ばず、グラブをはじいたボールは左翼線方向に転がった。無念のサヨナラ負け。首位広島と２位阪神のゲーム差は「２」に開いた。

　金本監督　先頭の四球は点に結びつきやすいし…。

　指揮官が悔やんだのは９回裏、４番手マテオが先頭伊藤に四球を与えた場面だ。直前の９回表は打線がしぶとくつないで２死満塁としながら、勝ち越し点を奪えず。直後、負の流れにのみ込まれたような四球だった。マテオは２四球１安打で１死満塁とされ、４番にサヨナラ打を浴びた。

　中盤までは快勝ムードだった。中谷の３ランなどで４点を奪い、先発能見は低めへの制球が抜群で５回まで１失点。突然暗雲が垂れこめたのは、３点リードの６回裏だ。能見が先頭から２連打で無死二、三塁とされ、香田投手コーチと杉本チーフトレーナーがマウンドへ。投球時に左手親指で薬指をひっかけて出血し、左腕のユニホームには血を拭いた跡があった。

　能見は１度は続投したものの、さらに２者連続適時打を浴びて降板。２番手桑原が同点打を許した。思いもよらぬ展開でゲームは振り出しに。結果打線は５回から８回までの４イニングで１人の走者も出せず痛恨のサヨナラ負けだ。金本監督は「先発を降ろした後に、点を取れなかったというのが大きかった」と静かな口調で振り返った。

　５月３０日の交流戦開幕ロッテ戦から前日６日オリックス戦までの勝ち負けは、２連勝後に２連敗して３連勝。１位広島とまったく同じ星取表のまま進んでいたが、ついにコイが勝利したこの日に虎が敗れ、ゲーム差は２となった。４点リードを守れなかったのは今季２度目だ。

　指揮官は最後、今日８日の関西ダービー３戦目に向けて「カード勝ち越しを懸けて明日も頑張るしかないですね」と冷静に締めくくった。少しばかり嫌な負け方をした後だからこそ、存分に反発力を発揮したい。【佐井陽介】

　▼阪神のサヨナラ負けは、４月１９日中日戦以来今季３試合目で、交流戦では初。４点差逆転負けは、４月１日広島戦で１回表に４点を挙げながら８－９で敗れたのと並び、今季の最多得点差逆転負け。

　▼首位広島とのゲーム差が２に広がったのは、５月４日以来。交流戦が始まった５月３０日以来、両軍は６月６日までそろって○○●●○○○という星取りだったが、７日初めて広島○阪神●となり差が開いた。