「糸井不在」の不安を吹き飛ばしてくれ! 「日本生命セ・パ交流戦」で自身2連勝中の阪神秋山拓巳投手(26)が今日13日、西武戦(甲子園)に先発する。残り6試合となった交流戦はすべて甲子園でのゲーム。DH制ではないため、当面は左太もも裏を負傷した糸井の先発起用が難しい情勢だ。苦しいチーム状況に陥っている今こそ、今季主戦級へと成長した秋山の快投に期待がかかる。

 秋山が自らの役割を理解していないわけがない。打線に目を向ければ、主軸糸井が左太もも裏を負傷している状態。自身初先発となる西武戦は、チームの浮き沈みを背負ってのマウンドとなる。

 秋山 すごく強力な打線だと思う。ここ最近はいい投球ができていない。“週頭”からリズムを作れる投球をしたいと思います。

 交流戦も残り6試合。すべては本拠地甲子園ゲームでDH制がない。つまり、野手は守備に就けなければ先発させられない。金本監督は糸井の今週の起用を問われると「いや、分からん。様子を見てやね」。スタメンの可能性については「分からん。まあ、それは無理じゃないか?」とした。糸井はこの日、病院で状態チェックを受けたもよう。再発は避けたいだけに、今週も代打などで慎重に起用される可能性が高い。

 そんな状況だから、6連戦の先陣を切る秋山への期待は高まる。打線は先週末のソフトバンク3連戦で計7得点。3番高山、4番福留、5番原口のクリーンアップは計32打数1安打と下降線をたどった。“糸井不在”で苦しむ打線を投手陣が助けられれば、チームのムードは一気に上がる。

 秋山は今回、調整ルーティンに変化をつけた。通常は登板2日前にブルペン投球してきたが、今回は3日前に変更。投手指名練習に参加した登板前日のこの日は、ブルペンで軽く傾斜を確かめる程度にとどめた。「疲れていると感じているので、試してみようというのが一番大きい。能見さんも(3日前ブルペンを)やられていたので」と確かな意図がある。

 交流戦2連勝中で、3連勝なら単独トップに立つ。ただ、前々回の5月30日ロッテ戦は5回7失点。前回6日オリックス戦は8回2失点ながら12安打を浴びた。今度は打線に恩返しする番だ。昨季は6月3日の甲子園西武戦に中継ぎ登板し、メヒアに2ランを浴びるなど2回4安打3失点。「走者をためないのが一番です」。安打製造機の秋山に浅村、メヒア…。今度こそ強打者たちをねじ伏せ虎を勝利に導き、成長した証しを聖地に刻む。【佐井陽介】