ソフトバンクが、王貞治球団会長(77)の晴れの日に屈辱のノーヒットノーラン負けを喫した。世界記録756号から40周年を記念したイベントが14日、「日本生命セ・パ交流戦」の巨人戦(東京ドーム)の5回終了時に行われ、王会長も出席。勝利で花を添えたかったが、巨人3投手のリレーの前に手も足も出なかった。チームは連敗で、交流戦首位から陥落した。

 松田のバットが巨人カミネロのスライダーに空振りし、11年ぶり2度目の継投による無安打無得点を喫した。この日、5回終了時には王球団会長の756号本塁打世界記録樹立40周年を記念するイベントが行われたが、まさかの失態。王会長は「ノーヒットじゃ勝てんか」と残念そうな表情で球場を後にした。

 DeNAから巨人にFA移籍した山口俊のフォーク、スライダーに手を焼いた。ただ、安打は出なくてもチャンスはあった。6回、先頭の長谷川勇が四球で出塁すると8番甲斐に犠打で送らせた。1死二塁としたが、5回まで無失点投球の先発石川をそのまま打席に立たせ三振。工藤監督は「甲斐の打撃の状態もよくない。石川はあわよくば二ゴロを打って走者を進めてもらえればと。1番の川崎にかけようとした」と説明。その川崎は四球でチャンスを広げたが、続く今宮が二ゴロに倒れた。

 4番内川、5番デスパイネの不在が響き巨人に連敗。7カードぶりに負け越した。前日13日は菅野に3安打完投負け。そしてこの日は無安打。それでも工藤監督は「(山口は)後半はフォークを多投してきて対策が立てられなかった。まったく打てなくて負けても1敗。8対9で惜しい負けでも1敗は1敗。割り切って、切り替えて」と前を向いた。藤本打撃コーチは「昨日、今日と思ったよりいい。明日は倍返しで。なあ、柳田」と後ろを歩いていた柳田に声をかけ、柳田も「それが一番。もう何とかするしかない」。今日こそは王会長を喜ばす打線爆発といきたい。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンク打線がノーヒットノーランを喫したのは、小久保の引退試合となった12年最終戦(10月8日)で西勇輝(オリックス)に記録されて以来。ソフトバンクは06年4月15日にも日本ハムに継投ノーヒットノーランを許しており、松田はこの時もスタメン三塁手で4打数無安打だった。