阪神先発能見篤史投手(38)が、西武主軸の中村剛也内野手(33)に屈した。中村にこの日の西武全得点となる4点をたたき出され、3敗目を喫した。1回の失点も、3回の失点も、2死走者なしという状況から走者を背負ってのものだっただけに、なんとももったいない敗戦。この悔しさを糧に、再び虎を加速させる好投を期待してるで~。

 能見が「らしさ」を欠いた。1点ビハインドの3回2死一、二塁。西武中村の外角へ投じた2球目だった。低めを狙ったシュートが、高めに浮いた。見逃してはくれなかった。中村の打球は右中間席へ。相手主軸の12球団本拠地制覇弾は、背番号14にとって痛恨の3ランとなった。

 「少し慎重になってしまった部分もありましたし、外中心の投球になってしまい、攻めの投球をすることができませんでした。2アウトからの失点を許し、ゲームを作ることができずにチームに迷惑をかけてしまいました」

 前日は「1発があるかもしれないので、いろいろと準備しないといけないね」と警戒心を強めていた。この日、序盤から外角中心の配球だった。だが、3ランだけでなく、初回に中村に食らった先制打も外角に高く浮いた変化球。制球ミスが失点に直結した。

 しかも能見自身がコメントしたように、いずれも2死無走者の状況から失点した。特に初回は連続四球でピンチを背負い、リードを許した。9奪三振が示すように、球のキレは良かっただけに、5回4失点での交代、3敗目は、なんとももったいないものとなった。

 13年目のシーズンは例年と同様に先発ローテーションの一角を任された。ここまで2勝だが、一時はリーグで防御率トップに立つほど安定感ある投球を続けてきた。それだけに金本監督は「(1回は)2アウト取ってからの3番秋山かな、四球とヒットかな。ちょっと警戒しすぎたのかなとは感じましたけど」と渋い表情だった。リーグ戦では安定感を取り戻し、チームに勝ちをもたらしてくれるはずだ。【山川智之】