日本ハムが痛恨の逆転負けを喫した。ヤクルト1回戦(神宮)は、2点をリードした直後の8回、鍵谷陽平投手(26)が同点に追いつかれ、公文克彦投手(25)が決勝弾を浴びた。勝ちパターンの8回に登板するマーティンが、前日15日に右脇腹を痛め、この日は登板ができない状態。栗山英樹監督(56)は鍵谷に託したが3連勝を逃した。借金は再び10。交流戦は7勝9敗となり、残り2試合を残して3年連続の勝ち越しが消滅した。

 色鮮やかに咲いたスタンドの傘を、沈痛な面持ちで見つめるしかなかった。代打・矢野の勝ち越し打で2点をリードした直後の8回、逃げ切りをはかった継投で5点を失った。栗山監督は「信じていくだけだから。誰が悪いわけじゃない。結果に関しては、こっちが悪いので」。交流戦は7勝9敗となり、残り2試合を残して勝ち越しの可能性が消えた。

 ケガ人に泣かされ続けてきた今季を象徴していた。本来であれば、勝ちパターンの8回は昨季の守護神・マーティン。だが前日15日の中日戦で右脇腹を痛め、この日はベンチ入りを外れていた。指揮官は「マーティンがいなくなっているから、あそこは(鍵谷に)任せる。ずっとここまでいい状態できていた」。直近14試合でわずか1失点だった鍵谷に託したが、先頭の井野に右前打で出塁を許すなど、2死満塁のピンチを背負い、雄平に中前へ同点打を浴びた。3番手の公文も荒木に決勝弾を許し、痛恨の逆転負けを喫した。

 大黒柱の大谷に加え、打率4割を打つ近藤も抹消中。現在は戦列に戻っているとはいえ、中田、大田、中島らも故障で離脱した期間があり、1度もベストメンバーで戦えていないのが現状。「みんなでやるしかない」。栗山監督の言葉が、苦しく響く。連勝は2で止まり、借金は再び10。3カード連続の勝ち越しがかかる同カード。今日17日の第2戦で巻き返す。【本間翼】